秋のえろ練習のためのお題箱「茅ヶ崎至」


「ただいま」と玄関を開けた声はひどく疲れていた。パタパタとスリッパを鳴らしながら玄関へ向かえば、靴を脱いで力尽きたらしい至さんが「あー」と呻きながら倒れている。今日は金曜日。一週間頑張ったのだろう。

「おかえりなさい」
「ただいま……。……」
「お疲れですね。ごはん出来てますよ」
「お風呂は……?」
「お風呂も沸いてますよ」
は……?」
「私? 私が何ですか?」

至さんは起き上がりながら「あれ言って」と甘えるような声を出した。あれ……。あれって何だ、と少し考えた後、先々週くらいに至さんがうちに来たときに言ったセリフを思い出した。

「ごはんにします? お風呂にします? それとも私?……でしたっけ?」

「合ってますか?」と訊く私に、至さんは長い溜め息を吐いた。違ったかな。「……絶対に結婚する」、合ってたらしい。

「寝室行こ」

至さんが私の手を取って、寝室へ誘導する。甘えるように重ねられた手と声に、ごはんが冷めてしまうなと思いながらも抗えなかった。


「スーツ皴になっちゃいますよ」

寝室に入って早々にベッドに押し倒された。私の服に手を掛けようとした至さんにそう言えば、至さんは「脱がせて」と腕を広げる。仕方ないなあ、と思いながらジャケット、ネクタイ、シャツと脱がせていく。ベッドから抜け出してハンガーに掛けようとしたら、至さんに止められた。「床に適当に置いといていいよ」と。皺になっちゃうから脱がせたのに、と思いながらもなんだかせっかちな至さんが面白くて、さっと畳んで床に置いた。

も脱がせていい?」
「はい、……んっ」

私の服に手を掛ける至さんの唇が触れる。キスをしながら服を脱がせるのだから、器用だなと感心する。ブラウスとスカートを脱がされて、下着だけになる。
「口開けて」、小さく口を開くと舌が入り込んでくる。舌を絡められて、上顎を蹂躙される。至さんとのキスは気持ち良くて、私はいつもそれだけで頭がふわふわしてくる。

「ん、……ん、あっ……ふぁ……」
「はぁ……、下着、脱がすよ」

パチンとホックが外れる音がして、ブラジャーを抜き取られる。至さんが「はー…… のおっぱいふかふか……」と胸に顔を埋めた。髪の毛が擽ったくて笑ってしまう。

「ふふ、至さん、髪の毛擽ったい」
「ほーんといいもの持ってるよね、
「ん、ふふっ、赤ちゃんみたいですね」

ちゅう、と至さんが乳首を吸った。もう片側の乳首を摘まれて、痺れるような快感が背筋を走る。

「ん、……んっ……あっ」
「赤ちゃんプレイはまた今度ね」
「やっ……ああっ、ん、しません、……から、……あっ……」

「下、脱がせるから腰上げて」と至さんが腰を撫でる。私が何とか腰を浮き上がらせると「いい子」と至さんがまた乳首を吸った。ちゅっ、ちゅ、とリップ音が響く。するりとショーツも抜き取られて、一糸纏わぬ格好に、恥ずかしくなる。それを言っても、いつも至さんはもう何度もシてるんだから慣れろ、としか言わないけど。

「下濡れてる。乳首吸われるの気持ちよかった?」
「……は、い」
「かわい。指入れるよ」

ぐちゅ、と水音が響いて、至さんの指が中に入ってくる。そのまま中を掻き回されて、弱いところを責められる。

「あっ、……あっ、ん……なか、ぐりぐり……、や、ひぅっ、ん、……」

「イきそう?」と至さんが言い終える前に、腰が跳ねて絶頂を迎えた。イッたばかりで荒い呼吸を繰り返す私に、至さんが「入れていい?」と優しく問う。私がそれに頷くと、至さんはサイドチェストからコンドームを取り出した。
「……付けなくても、いい、ですよ」と言えば、至さんは少しだけ目を見開いた後、私の頭を撫でた。

「それは結婚してからね」

そう言って微笑んだ至さんが、封の切り口を私の口元に持ってくる。あの言葉は本気だったのか、と思いながら私がそれを口で咥えると、至さんが袋を横にスライドさせた。破らないように、歯を立てないように気をつけながら、口で中身を取り出す。至さんが「躾た甲斐あったな」と満足そうに呟いた。

「よくできました」
「ん、……至さん、はやく……」
「はー……。ほんと可愛いね、

きちんとそれを着けた至さんの男根が、ゆっくり私の中へ入ってくる。ずちゅ、ぐちゅ、と先程とは比べ物にならない卑猥な音が響く。

「あっ、ん……」
「ん、全部入った、……っ……、痛くない?」
「だ、いじょ、ぶ……っ……」

「動くよ」と耳元で囁かれて、それが擽ったくて、でも気持ちが良くて、何にも考えられなくなっていく。至さんが「、名前呼んで」と私の手を握った。

「ん、……い、た……るさ、……ああっ……」

奥の弱いところをゴツゴツと突かれて、目の前がチカチカしてくる。ぐっと足を持ち上げられて、もうこれ以上は無理だと思うくらい奥深くまで至さんでいっぱいになる。「ひぅ、あっあっ、あっ」、はしたなく嬌声が出てしまうのに、止められない。

「可愛い。好きだよ、
「わ、たしも、……ん、ああっ、イクっ、イッちゃ……」
「イキそう? いいよ、好きなだけイッて」
「あ、……ああっ……っ……」
「……っ、……俺も、イキそ……」

はぁ、と小さく息を吐いた至さんが、少しだけ早く腰を動かす。イッたばかりで敏感な身体は耐えられず、至さんがイクのと同時に、私も三度目の絶頂を迎えた。ぎゅう、と繋がれた手を強く握る。
ずるりと、至さんのものが引き抜かれて、それすら刺激になる。「んっ」と喘ぐ私に、至さんが「気持ち良かった?」と私の頬を撫でた。三度も達して疲れ、襲ってくる眠気に耐えながら、何とか肯定の言葉を口にする。至さんは「俺も」と返してくれた。

「目、とろんってしてる。眠い?」
「ちょっと、だけ……」
「俺もちょっと疲れたな」

「このまま寝よ」と至さんが隣に寝転んだ。「のごはんは明日食べるから」と言われ、私はすっかり冷めてしまったであろう夕飯のことを思い出しながら目を閉じた。
あまえてベイビー