ジュワア、と小気味の良い音が深夜の部屋に響く。ドーナツは全部で五個、好みの色になるまで揚げる。全部揚がったらお皿に盛り付けて、お砂糖を盛大にかける。ここで大切なのはお砂糖をかけるときに目を瞑ること。お砂糖という名の罪悪感から目を逸らすことである。お砂糖をふんだんにかけたシンプルなドーナツが、私の大好物。
さて食べよう、と紅茶を淹れたところで再び罪悪感がチラつく。ちょっと考えてから、そういえば今はホリデー中だからラギーくん帰ってきてるな、と連絡した。もう寝てるかも、とメールしたけれど「すぐ行く」というお返事。ラギーくんの分の紅茶を用意しながら待つこと数十分、ラギーくんは本当にすぐに来た。ホリデーで帰省しているとはいえ、ラギーくんは子供達の面倒とか家事とかで忙しくなく動き回っていたから、ゆっくり話す時間が無かった。「お邪魔しま〜す」と家に来たラギーくんを見て、「ラギーくんだぁ」と思ったし口から出た。ちょっと眠そうなラギーくんは「はいはい、ラギーくんっスよ」と笑う。
「ごめんね、深夜に。寝てた?」
「あー……、いや、起きてたから大丈夫っス」
「でも眠そう」
「そりゃいつもは寝てる時間だから」
「呼んでおいてあれだけど、寝る?」
「
ちゃん何の為に俺を呼んだんスか」
「罪悪感を半分こするため!」
ラギーくんは「元気の良いお返事っスねぇ」と言いながらドーナツを口にする。やっぱりその顔は眠そう。よく考えたら、いやよく考えなくても、忙しなく動き回っていたラギーくんを呼び出したのは悪いことなのではないか、と今更反省。
タッパーあったかな、と台所の棚を漁っていたら「何探してンスか?」と二個目のドーナツに手を付けながらラギーくんが言う。
「タッパーあったかなって」
「……なんで?」
「ラギーくん疲れてるだろうし、ドーナツ持って帰って今日はもう寝たほうがいいよ」
本当はお話したいけど、という言葉は飲み込んだ。
ラギーくんはドーナツを半分にすると、「あ」と自分の口を開けながら言う。口を開けろ、という意味だろうか、と私も同じように口を開けたら、甘いドーナツが押し込まれた。
「そりゃ疲れてるっスけど、でも来たんスよ」
「なんでかわかる?」と訊かれ、ドーナツを飲み込んでから「私が呼んだから?」と返す。ラギーくんは「それはそうっスけど」と溜め息を吐くとまた私の口にドーナツを押し込んだ。
「
ちゃんと美味しいを半分こしたいからっスよ」
ハッピーハーフ