夏のえろ練習のお題箱「カイン」
※若干の夢主攻め


「このアバズレクソビッチが!!」

街行く人々が目を向けた先にいたのは人間の男と魔女だった。「往来でそんな下品な言葉を叫ぶなんて、悪いお口ね」、魔女はスイと人差し指で宙をなぞる。男の口は開かなくなって、モゴモゴと言葉にならない音がするだけ。顔を真っ赤にした男が魔女に殴りかかろうとする。人間と魔女の力の差は歴然で、魔女のほうが強い。様々な面で。だから誰も二人を止めようとしなかったけれど、そんななか「手を上げるのはダメだろ」と男の手を掴んだのは、カインだった。
突然現れたカインに男は驚いて、男の手を掴んだ拍子に魔女と肩が触れたから魔女にもその姿は見えていた。未だ何も話せない男はその手を振り払うと走って逃げて行った。声のでかい男ほど逃げ足が速い。

「あんた、大丈夫か?」

魔女はこの辺りでは有名だった。男でも女でもとっかえひっかえ食べている、という噂が絶えないほどに。もちろん性的な意味で。しかしカインはたまたま今日、私用でこの街に来ていただけでそんなこと知らない。哀れな男よ。見物していた町人の誰かが呟いた。

「平気よ。ありがとう庇ってくれて」
「いや。さっきのはあんたの恋人か?」
。魔女のよ。名前で呼んで。あなたは?」
、俺はカイン。俺も魔法使いなんだ」
「カインね。いい名前だわ。歳は? あとさっきのは恋人じゃなくてセフレ」
「22だ。……セフレ?」
「そう。セックスフレンド。でも何を勘違いしたのか向こうは私と付き合ってるって思ってたらしくて、それで勝手に怒り出したの」
「……そういうのは良くないんじゃ……なんで俺の手を握るんだ?」
「助けてくれたお礼させて。私、すっごく上手いよ?」

そう言ってはカインを逃すまいと、ガッチリ掴んだ手を引っ張って行く。逃げられないようにご丁寧に拘束魔法をかけて。カインはまだ22歳。対するはゆうに400は越えている。カインは魔法ではに勝てない。ちなみには性交に役立ちそうな魔法ばかり得意。だって楽しめるし、いろいろ。
若い魔法使いっていうのは良い。魔法使いだから人間相手より融通が効くし、若い男は体力も性欲もある。加えてカインは顔も良い。つまりにとってはごちそう。フルコースなのだ。

***

「あっ、こら、なんで足閉じちゃうかなぁ」
「いやあんた何しようとしてるんだ!?」
「名前で呼んでってば。何って、セックス。でものその前に口淫してあげようと思って。さっき助けてくれたお礼。あ、もしかして初めて? 童貞?」
「どっ……いや経験はあるけど……って違う! そうじゃなくて!」

の家に連れられたカインは、のベッドの上で身ぐるみを剥がされた挙句足を開かされそうになっていた。
騒ぐカインに、は自身の胸を晒け出してそれをカインの腕に押し付けながら「嫌?」と上目遣いで見つめる。カインだって男。は400を越えているとは童顔で、見た目だけなら幼さの残る少女とそう変わらない。そんな子に適度な大きさと柔らかさのある胸を押し付けられながら言われてしまったら抗えない。男はいつ何時もおっぱいに弱い。そういう生き物。
をそれを心得ているがそれでも尚「いやでも……」と苦い顔をするカインに、これは手強いなと人知れず溜息を吐いた。しかしここで食い下がるではない。なぜなら性交はにとって生きる理由のひとつだから。

「… …セフレとは言ったけど、私は愛してたのよ。恋人ではなかったけれど愛は確かにあったし、心の底から好きだったの。本当に恋人になりたかった」

そうなる前に別れちゃったけど、とが潤ませた瞳でカインを見つめる。この隙に逃げ出してしまえば良いものを、そうしないのがカインという男。人が良すぎる。「ねえ、慰めてくれる?」と眉を下げたがカインの頬をそうっと撫でる。魔女っていうのは魔性の塊だ。加えては人生経験が豊富。年若い男を落とすなんて朝飯前。子供のような表情のを、カインは放っておけなかった。


「……っ、は、……くっ、」
「んっ、……ぁ、……気持ちいい?」
「、そ、こで喋らな、でくれ……」

は一度口を離して微笑むと、再度カインのそれを口に含んだ。大口を開けているわけではないけれど、奥まで頬張って、歯を立てまいと気をつけながらも蕩けた顔をしているを、カインは素直に可愛いと思う。それに、ものすごく上手い。のあの言葉に嘘はなかったのだ。これは、癖になる。非常にまずい。カインの頭はそんなことを考えながらも快楽には抗えなかった。

っ、も、……いいから、っ、」
「イきそう? 出していいよ」
「だか、ら、っそこでしゃべ、っ……っ、……」

の顔から胸までカインの精液で汚れて、カインは何とも言えない背徳感に襲われる。はそんなこと気にせず「ふふ、いっぱい出たねぇ。気持ち良かった?」とカインのそこに残った精液を舐めとるようにキスを落としながら言った。それだけで一度射精したカインのそれはまた勃ち上がって、はカインを捕まえて正解だったとほくそ笑んだ。
それから胡座を組んだままのカインの上に乗り上げると「ね、入れていいでしょ?」と自身の性器をカインのそこに押し付ける。さすがにそこまではまずいだろ。カインはそう考えるも一度元気になったそれを鎮めぬわけにもいかず、がゆっくりと腰を落としていくのを受け入れた。

「あっ、ん、おっきい、ぁっ、」
「あんた、っ、誰とでも、こういうことしてるのか……?」
「ひゃっん、……あっ、ぅ、……なま、えよんで、てば」
「っ、

呼ばれて、カインがさらにの奥まで入り込んでくる。は一際高い声を上げながら快楽に耐えるようにカインの背中に手を回した。けれど爪は立てない。は爪を立てたことはない、誰にも。

「んぁ、あっ、……ぅ、あっ……」

が身体を震わせて絶頂を迎えたと同時に、中からカインのそれがずるりと引き抜かれる。短く声を発したカインは二度目の射精をして、今度はの足を汚した。は「なかに、だしてよかった、のに」とまだ整わない息で言いながら二回戦目に持ち込もうとする。カインは慌てて呪文を唱えると、の身体やらベッドやらを綺麗にした。
これはさすがにもう無理だなと悟ったは、それに素直にお礼を言う。それから「最後までしたのはカインで二人目だよ」と先程の問いへ答えた。カインは自分の身なりを整えながら「二人目?」と訊く。

「うん。もう一人はずうっと昔に愛した人。子供が欲しかったの。でも出来なかった。私ねぇ、そういう病気なの。魔法でもどうにも出来ないんだって」

だから中に出して良いって言ったんだよ、と戯けたように、どこか他人事のように言うに、カインは悲しそうな顔をする。

「カインは、あの人にほんのちょっとだけ似てる」

はカインを見ながら、やっぱり爪を立てれば良かったかも、と考えた。

あのひとさよなら