ハハトハ
ハハトハ。
愛情を感じなかったのかと問われれば、そうとは言い切れません。けれども、本当にわたしを愛していたのなら、母がわたしに手を掛けることはなかったのではないかと思います。母なりに愛していたのかもしれませんが、それを知る術がわたしにはございません。
ワタシは生を押し付けられたに過ぎません。他人を妬み、羨み、己の醜さばかりに押し潰される人生でしたが、それでも悪くない人生でした。
最期にムル・ハートにカードゲームで勝てたことは、きっとあの世で母に自慢してしまいます。母が天国にいるか地獄にいるか、どこにもいないのか、わたしはどこへ行くのか、わかりませんけれど。
どうしてこの世に産み落とされたのか、考えたことがあります。いいえ、考えなかった日はありません。価値ある者になりたかった。誰かに選ばれたかった。誰かの、あの人の、特別になりたかった。
今日という日に、わたしは自身を精算致します。
誰かに選ばれない人生なら、この生に価値などありませんもの。
母、とは。
わたしにとって、憎むべき対象であり、世界のすべてでもあったのです。